職場における女性労働者の進出の拡大に伴い、携わる職種やその地位が多岐に渡るようになると、性別による直接的な差別または間接差別、セクシュアルハラスメントの事例も多様化してきました。従来の法令でカバーしきれない新たな差別事例や「間接差別」の対象の拡大範囲を盛り込み、指針を具体的かつ明確にするなど、より運用のしやすい法律として改正・施行されました。
これまで、総合職の募集、採用の際に、合理的な理由がないのに転勤要件を設けることは 「間接差別」として禁止されてきましたが、改正後はすべての労働者の募集、採用、昇進、 職種変更の際にも、合理的な理由のない転勤要件は「間接差別」として禁止されます。
⇒以下のような要件は「間接差別」となるおそれがあるため禁止されます。
×従業員の募集にあたって、長期間にわたり、転居を伴う転勤の実態がないにもかかわらず、 全国転勤ができることを要件としている。
×部長への昇進にあたって、広域にわたり展開する支店や支社がないにもかかわらず、 全国転勤ができることを要件としている。
性別以外の要素を要件としながらも、一方の性別の構成員が他方の性別の構成員と比較して相当の不利益を 受ける措置を、事業主側が合理的な理由なく講じることを、「間接差別」といいます。 (現在、厚生省令で定めている「間接差別」に当たる措置は3つ)
性別を理由とする差別に該当するものとして、結婚していることを理由に職種の変更や 定年の定めについて男女で異なる取扱いをしている事例が新たに追加されました。
・放置すれば職場環境を害するおそれがある場合
・性別役割分担意識に基づく言動が原因や背景となってセクハラが生じるおそれがある場合
※改正内容の詳細及びその他の改正点につきましては、 厚生労働省HP(http://www.mhlw.go.jp/)をご参照下さい。